疲れた者、重荷を負う者は、
だれでもわたしのもとに来なさい。
休ませてあげよう。
(マタイによる福音書11:28)

感謝祭

 国民の祝日というのは多くの人にとって、休みの日が増える嬉しい日ではないでしょうか。さて、祝日というものを良く考えてみると、何らかの理由かあるから祝日となっているわけで、その多くは何かの出来事を記念する日であったりします。そして、そこには記念となるような、歴史の大きな動きが見え隠れしているのです。私たちの住む日本では11月23日が勤労感謝の日として祝日となっていますが、ちょうど同じ頃、似たような趣旨で、アメリカでは“Thanksgiving Day(収穫感謝の日)というものが行われます。この“Thanksgiving Day”にはアメリカ合衆国の始まりに関わる大きな歴史が隠されているですが、皆さんはご存知でしょうか。

 時は1620916日。メイフラワー号に乗ったプルグリムファーザーズは、信仰の自由を求めて、イギリスの地を出発しました。大西洋を4400km66日間にも及ぶ航海の末たどり着いたのは、遠くアメリカ大陸でした。その旅は苛烈を極め、102名の乗員のうち2人が亡くなりました。しかし、彼らへの本当の試練はここからでした。

 右も左もわからない、全く新しい場所での越冬。収穫物などないに等しく、人々は飢え渇き衰弱していきます。そこに加えて、厳しい寒さが彼らを襲いました。ひとり、またひとりと死んでいき、生存者は当初の半分ほどにまでなってしまいました。しかし、もうダメかと思われたその時、彼らに救いの手が差し伸べられます。原住民のインディアンと出会ったのです。主の御手が歴史を動かした瞬間です。

 彼らは、ワンパノワグ族の助けを得ることができ、生き延びることが出来たのです。翌年の秋、生き延びた彼らは多くの収穫物を得ました。そこで、助けてくれたワンパノワグ族を招待し、また神さまの恵みに感謝して宴会を設けました。これが、“Thanksgiving Day”の由来であり、アメリカ合衆国のスタートでもあります。このプルグリムファーザーズの新天地移住の成功を機に、多くの人々がアメリカ大陸に移住をするようになりました。そして長い植民地時代を経て、1776年にアメリカは独立。西へ西へと領土を拡大するなか、次第に富も集まるようになり、アメリカは現在、世界第一位の経済大国となりました。

 歴史が大きく動く瞬間、その背後には信仰の自由を求める心がありました。“Thanksgiving Day”に、食べ物ばかりに気をとられるのではなく、記念日の裏側を黙想してみるのも乙なものです。